はじめまして

 

 初めてブログを書きます。たぶん三か月くらいたったら、うげええ黒歴史だ!って思うようになるんだろう。なぜ急にこんなことをしようと思ったのか自分でもよくわからないまま始めてしまったが、何より「ブログ」という響きにひかれたこと、もっともらしい理由を挙げるなら、自分の考えを言葉にしてみようと思い立ったからだ。あとはまあ、ドラマ「シャーロック」のジョン(大好き!)も「ブログ」を書いているし、やってみるか、というなんともテキトーな経緯しかない。

 わたしは、実は会社の社長だとかクリエーターだとか、特殊能力があったりとか、海外に住んでいたりとか、実は人間じゃないとか、そういう特別なことはなく、日本に住んでいる平凡な一人の大学生に過ぎない。ただ、アラビア語を勉強しているとか、サザエさんとかドラえもんとかいった類の日本の国民的アニメを一度もまともに見たことがないという点では、多少特殊かもしれない。自分を犬だと思っていない犬を一匹飼っていて、しょっちゅう喧嘩をするけれど、それでも愛している。そいつは今私にお気に入りの椅子を奪われて釈然としない顔で突っ立ている。わたしはこの犬がそういう顔をするのが好きで、しょっちゅうこうしたことをするのだが、この犬ももう10歳になりそうなので、そろそろいたわってやろうかと思う。死んだらはく製にするか、せめて毛皮を筆箱にするとかそれくらいのことはしたいのだが、技術がなくてできそうにない。

 町を歩いた感想だったり、本の感想だったり、経験してもいないようなたわごとだったり、とりとめもない独り言だったり、そう言ったことを書くつもりでいる。ここはひとつ、最近見た映画の感想を書いてみよう。

 最近何もかもが嫌になって、すべて放り出したく、またそんな自分がふがいなく、自分の生きる価値がよくわからないで過ごしていて、こういう日は二か月に一度くらいの頻度で訪れるのだが、わたしはそのたびに映画に助けを求める癖がある。

今回選んだ映画は「きっと、うまくいく」。いかにも、いい話そうな邦題である。

きっと、うまくいく」はインドの映画だった。エンジニアを育成するためのエリート大学に通う三人の学生が主人公で、エンジニアになれという親や教師たちの押し付けと戦うというストーリー。歌や踊りも充実していて、イギリス譲りかと思われる小気味よいジョークがきゅきゅっと心を和ませる。

 小便を通じて男性器を感電させたり、半身不随の老人をバイクで運んだり、学長の執務室にテスト問題を盗みに行ったり、遺灰をトイレに流すぞ!と脅したり、掃除機で赤子を吸い出したり、花婿衣装にソースを塗り付けてめちゃくちゃにしたり、とにかく、どこまでも素っ頓狂な展開の映画であるのだが…というのはここで私が素っ頓狂な要素しか取り出していないからであるのだが…、そこで語られるテーマは重たく、明るさの中にさっと影が差す感じが何とも言えない。最後のドンでんがえしにぎゃあっと叫んでしまったので、ここが映画館じゃなくてよかったとつくづく思った。(午前四時の出来事)

 インドらしい音階の歌と踊りには元気をもらった。日本製のミュージカル映画というのがなかなかないのはなぜだろうと考えながら、インド特有の動きに見とれた。日本がミュージカル映画を作るなら舞台は江戸の吉原とかだったら面白いし、いや、もういっそ千年前の源氏物語でもいいか…。日本は海外コンテンツを輸入して加工するのは得意なのに、自分が現時点で持っているものを発信しようとしないところが惜しいと思う。日本音階でミュージカルは厳しいか。とことん壮大になるか、とことん悲壮になるかだろう。沖縄とかは向いているかもしれない。

いいか悪いかはさておき、せっかく世界に名だたるサブカルの国なのだから、日本文化もキャッチ―にして発信してしまおうじゃないか。kawaiiだけじゃなく、itokashiとか、ahare(aware、あ、これじゃあただの英単語か…)とか、そういうのがあってもいいと思う。そのDVDの冒頭で別のインド映画の広告があったが、それは輪廻転生ラブコメという、いかにもインドらしい(?)珍妙な(褒め言葉的な意味で)もので、感服、という感じだ。ぜひ見てみたい。